Greeen Infrastructure
1.広場を構成するみどり
カナドコロのみどりは常緑の中木・低木・グランドカバーで構成されている。
落葉樹である中木はプランターで植えることで移動可能な設置方法をとっている。
カナドコロは川崎市が所有している土地を暫定的な広場利用をしているため
根が地中深くまで届く高木は設置せずに柔軟性のある植栽計画となっている。
2.地域でみどりを育てる
カナドコロのみどりは、地域の方々と一緒に育てることを目指している。
その1つとして広場空間を緩やかに仕切るレイズドベットを活用した”種植えのワークショップ”を開催した。
このレイズドベットでは、下水汚泥を再利用した土を使用することにより植物の成長や維持管理を容易にしている。
カナドコロでは、スウェール・樹皮のマルチング・フラクタルひよけ・レイズドベットで
環境的価値をに付与した広場を目指している。
Mulching
地表面全体を覆うことで、雑草の生長を抑制する効果を狙っている。
水たまりや土埃の発生も抑制することが出来るため、日常利用だけ
でなくイベント等の利用しやすさも向上させている。
アスファルト等の舗装と比べて雨水が浸透されやすいことから
地下水が涵養されることで保水・保湿機能を持っているため
夏場の地表熱を下げる効果も期待できる。
Fractal Sunshade
カナドコロのパーゴラには、フラクタル幾何学を応用して自然に近い
「こもれび」や「こかげ」を作り出すようなデザインがされた日よけ
(フラクタル日よけ)が設置されている。日よけは開閉可能であり、
天候等に応じて柔軟な利用が出来る。輻射熱を持ちにくく休憩空間の
陰影に適しているため、夏場はクールスポットとして人の滞留を促す
空間を形成する。
Swale
スウェールとは植物・生き物の住処でありながら、地表水を流出させ、濾過・浸透させる機能を持たせた窪地(低湿地)のことである。バイオスウェール(Bioswale)とも呼ばれる。カナドコロでは、一般的なビオトープのようにウェットな環境ではなく、ドライスウェール形式を採用している。敷地東側の擁壁から流出する雨水等を貯めて、濾過・浸透させている。スウェールの植栽は生き物の住処になっており、子どもたちが虫探しなどで遊べるようになっている。窪地付近は背丈の高い植栽を育て、子どもたちが擁壁を登りづらい設えになっている。